心エコーの当て方を基礎から解説|標準断面のプローブ位置と描出のコツ【2026年版】
心エコー検査で良好な画像を得るには、プローブを当てる位置だけでなく、超音波ビームの方向、プローブの回転・傾斜、患者の体位や呼吸を組み合わせて調整する必要があります。特に初心者は、傍胸骨長軸像、傍胸骨短軸像、心尖部四腔像の基本的な描出方法を理解すると、検査全体の流れをつかみやすくなります。
2026年時点でも、米国心エコー図学会(ASE)、英国心エコー図学会(BSE)、日本救急医学会などが示す標準的な検査手順は、経胸壁心エコー(TTE)の基本を学ぶうえで重要な指針です。今回は、プローブの持ち方から各アプローチの具体的な位置、画像が見えにくい場合の対処法まで、実際の検査手順に沿って整理します。
>📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
>
> - 基本の当て方: 傍胸骨・心尖部・心窩部・胸骨上窩の4つの基本的なアプローチを覚える。
> - 画像描出のコツ: プローブの固定・回転・傾け方・扇状操作を使い分け、目的の断面に合わせる。
> - 画質改善のポイント: 左側臥位、呼吸調整、肋間の変更、ゲインや深度の調整を組み合わせる。
【基本を理解】心エコーの当て方は4つのアプローチから覚える
心エコーは、体表から超音波を送り、心臓や大血管の構造・動き・血流を画像化する検査です。
経胸壁心エコーでは、胸骨や肋骨、肺などが超音波の通過を妨げるため、どこからでも心臓を観察できるわけではありません。そのため、骨や肺を避けて超音波を入射できる部位を選ぶ必要があります。
基本となるアプローチは次の4つです。
1. 傍胸骨アプローチ
胸骨の左側からプローブを当てる方法です。
主に第3〜4肋間付近を使用し、左室、左房、大動脈基部、僧帽弁などを観察します。
ここから傍胸骨長軸像と傍胸骨短軸像を描出します。心エコーの基本となる断面であり、最初に習得したいアプローチです。
2. 心尖部アプローチ
左胸部の心尖部付近からプローブを当てる方法です。
心尖拍動を目安に位置を決め、心臓を長軸方向に観察します。
代表的な断面は心尖部四腔像、二腔像、三腔像です。特に四腔像では、左右の心房・心室を同時に観察できます。
3. 心窩部アプローチ
剣状突起の下、みぞおち付近からプローブを当てる方法です。
肝臓を超音波の通り道として利用できるため、傍胸骨や心尖部からの画像が不良な場合にも役立ちます。
心臓の四腔像や心房中隔、心室中隔の観察に加え、下大静脈(IVC)の評価にも使用します。
4. 胸骨上窩アプローチ
胸骨上端のくぼみからプローブを当てる方法です。
主に大動脈弓や下行大動脈などの観察に用います。通常の心腔評価とは異なり、大血管の走行や形態を確認するための重要なアプローチです。
日本救急医学会の2022年版「救急point-of-care超音波診療指針」では、心臓の基本的な観察部位として、第3〜4肋間の傍胸骨長軸・短軸、心尖部四腔、心窩部四腔、下大静脈縦断面が示されています。
このように、まずは基本的な観察窓を覚え、それぞれで何が見えるのかを理解することが出発点になります。
【実践編】心エコーのプローブの持ち方と基本操作
心エコーの画像がうまく出ないとき、プローブを強く押し当てたり、大きく動かしたりすることが正解とは限りません。
大切なのは、プローブの位置を安定させながら、小さな操作で超音波ビームの方向を変えることです。
プローブの基本的な持ち方
心エコーでは、一般的にプローブを手で包み込むように保持し、指先で細かな操作を行います。
基本的なポイントは次のとおりです。
- 親指と人差し指を中心にプローブを安定させる。
- 中指や薬指で側面を支え、不要な揺れを抑える。
- 手の一部を患者の胸壁に接触させ、支点をつくる。
- プローブの向きとインデックスマークを常に意識する。
- 必要以上に強く押し込まず、接触面を安定させる。
特に重要なのが、プローブのインデックスマークです。
インデックスマークは、画面上の画像の向きを決める目印です。プローブを回転させると画像の断面も変化するため、現在どの方向に超音波ビームが向いているかを意識する必要があります。
なお、時計の何時方向という表現は、装置の表示設定やメーカーによって異なる場合があります。実際の検査では、時計方向だけを暗記するのではなく、インデックスマークと患者の解剖学的位置を対応させてください。
覚えておきたい5つのプローブ操作
米国心エコー図学会の2019年版包括的経胸壁心エコーガイドラインでは、画像取得に用いるプローブ操作が整理されています。
| 操作 | 動かし方 | 主な目的 |
|---|---|---|
| 固定 | 同じ位置で保持する | 画像の安定化 |
| スライド | 皮膚上を移動させる | 肋間や観察窓の変更 |
| ローテーション | インデックスの方向を変える | 断面の変更 |
| チルト | プローブ面を傾ける | 別の断面の描出 |
| ロッキング・アングリング | 小さく揺らす、ビーム方向を調整する | 構造物の中央化や描出改善 |
| スイープ | 連続的に断面を走査する | 心臓全体の観察 |
特に初心者が混同しやすいのが、回転と傾斜です。
回転(ローテーション)は、プローブの接触位置をほぼ変えずに、インデックスマークの向きを変える操作です。
傾斜(チルト)は、接触位置を保ちながらプローブ面の角度を変え、同じ軸に沿って別の断面を描出する操作です。
また、ロッキングは同じ画像断面を保ちながら構造物の位置を調整する動き、アングリングは目的の構造物に向けて超音波ビームを細かく調整する動きです。
これらを区別できるようになると、プローブを大きく動かさなくても画像を調整しやすくなります。
【傍胸骨アプローチ】長軸像・短軸像の当て方と描出手順
傍胸骨アプローチは、経胸壁心エコーの基本となる観察窓です。
患者を可能な範囲で左側臥位にし、胸骨左縁の肋間からプローブを当てます。
傍胸骨長軸像(PLAX)の当て方
<画像取得の基本手順>
1. 患者を左側臥位にする。
2. 胸骨左縁の第3〜4肋間付近にプローブを当てる。
3. インデックスマークを患者の右肩方向に向ける。
4. 心臓の長軸が画面内で適切に描出されるように微調整する。
5. 左室、左房、大動脈基部、僧帽弁などを確認する。
ASEの標準手順では、プローブのインデックスを右肩方向に向け、時計方向の目安として9〜10時付近に設定する方法が示されています。
傍胸骨長軸像で確認したい主な構造は以下のとおりです。
- 右室
- 心室中隔
- 左室
- 左室後壁
- 僧帽弁
- 左房
- 大動脈弁
- 大動脈基部
描出のポイントは、左室が長軸方向に自然に伸びて見えることです。
左室が短く見える場合は、プローブの位置や角度が適切でない可能性があります。肋間を変更したり、プローブを少し回転・傾斜させたりして、心臓の長軸に合わせます。
また、長軸像では通常、左室心尖部が明瞭に描出される必要はありません。心尖部まで無理に表示させようとすると、かえって適切な断面から外れる場合があります。
傍胸骨短軸像(PSAX)の描出方法
短軸像は、長軸像からプローブを約90度回転させて描出します。
基本的な手順は次のとおりです。
1. 傍胸骨長軸像を描出する。
2. プローブの接触位置を大きく変えずに約90度回転させる。
3. インデックスマークを患者の左肩方向に向ける。
4. 大血管レベルから僧帽弁レベル、乳頭筋レベルへ順番に観察する。
5. 必要に応じて心尖部レベルまで走査する。
短軸像では、プローブを傾けることで観察する高さを変えます。
代表的な観察レベルは4つです。
① 大動脈弁レベル
大動脈弁の形態や右室流出路、肺動脈などを観察します。大動脈弁の3つの弁尖が確認できることが一つの目安です。
② 僧帽弁レベル
僧帽弁の形態や開閉運動を確認します。左室の基部側を観察する断面です。
③ 乳頭筋レベル
左室が円形に近い形で描出される断面です。左室壁運動や心筋の収縮・肥厚を評価するうえで重要です。
④ 心尖部レベル
さらに下方へ傾けて、左室心尖部を描出します。
短軸像で特に意識したいのは、プローブの接触位置を大きく動かさず、傾斜によって観察する高さを調整することです。
一度に大きく動かすと、どの操作によって画像が変化したのか分からなくなりやすいため、少しずつ調整する習慣をつけましょう。
【心尖部・心窩部・胸骨上窩】プローブ位置と具体的な当て方
傍胸骨から十分な画像が得られない場合でも、ほかの観察窓を使うことで心臓の構造を確認できる場合があります。
ここでは、心尖部四腔像、心窩部アプローチ、胸骨上窩アプローチの基本を整理します。
心尖部四腔像(A4C)のプローブ位置
心尖部四腔像は、左右の心房と心室を一度に観察できる代表的な断面です。
基本的なプローブ位置は、左胸部の心尖拍動付近です。
一般的な目安は第5肋間付近ですが、心臓の位置や体格によって適切な肋間は変わります。左側臥位にして心尖部を露出させると、描出しやすくなる場合があります。
<画像取得の基本手順>
1. 患者を左側臥位にする。
2. 左胸部で心尖拍動を確認する。
3. 心尖部付近にプローブを当てる。
4. インデックスマークをベッド方向に向ける。
5. 四腔が同時に表示されるように位置と角度を調整する。
ASEのガイドラインでは、インデックスマークを4〜5時方向に設定する方法も示されています。
描出できたら、以下の構造を確認します。
- 右房
- 右室
- 左房
- 左室
- 三尖弁
- 僧帽弁
- 心房中隔
- 心室中隔
心尖部四腔像で重要なのが、左室の短縮表示(フォアショートニング)を避けることです。
心尖部が丸く見えたり、左室が実際より短く表示されたりする場合は、超音波ビームが心臓の真の心尖部を通っていない可能性があります。
その場合は、プローブを肋間に沿って少し移動させたり、角度を変更したりして、左室の長軸が十分に伸びる位置を探します。
ASEのガイドラインでは、正常な心臓の心尖部像について、左房基部から左室心尖部までの長さのうち、左室が約3分の2、左房が約3分の1を占めることが短縮の有無を判断する目安として紹介されています。
心窩部アプローチの当て方
心窩部アプローチは、剣状突起のすぐ下からプローブを当てます。
基本姿勢は仰臥位です。
<画像取得の基本手順>
1. 患者を仰臥位にする。
2. 腹部の筋肉をリラックスさせる。
3. 剣状突起の下にプローブを当てる。
4. インデックスマークを患者の左側、約3時方向に向ける。
5. プローブ面を左肩方向に向けて心臓を描出する。
心窩部四腔像では、右房・右室・左房・左室のほか、心房中隔や心室中隔を観察できます。
また、プローブを調整することで下大静脈の長軸像も描出できます。
心窩部からの画像が出にくい場合には、膝を軽く曲げてもらう方法があります。腹筋の緊張が和らぎ、プローブを安定させやすくなるためです。
さらに、肝臓を通して心臓を観察することを意識すると、超音波の通り道を確保しやすくなります。
胸骨上窩アプローチの方法
胸骨上窩アプローチでは、胸骨上端のくぼみにプローブを当てます。
主な目的は大動脈弓の観察です。
<画像取得の基本手順>
1. 患者を仰臥位にする。
2. 肩の下に枕などを置き、頸部を軽く伸展させる。
3. 顔を左側に向ける。
4. 胸骨上窩にプローブを当てる。
5. インデックスマークを頭側に向けて開始する。
6. 左肩方向へ少し回転させながら、プローブ面を下方へ傾ける。
ASEの標準手順では、インデックスマークを12時方向から始め、左肩方向の約1時方向へ調整する方法が示されています。
この断面では、大動脈弓、上行大動脈、下行大動脈や主要分枝などを観察します。
頸部の伸展が難しい患者や体位の保持が困難な患者では、無理に標準姿勢を取らせず、状態に応じて検査方法を調整することが大切です。
【画像が見えにくい原因と対策】体位・呼吸・装置設定を見直す
心エコーで画像が見えにくい原因は、プローブの当て方だけではありません。
患者の体格、肺の位置、肋骨の影響、呼吸、装置設定など、複数の要因が関係しています。
画像が見えにくくなる主な原因
| 原因 | 画像への影響 | 主な対策 |
|---|---|---|
| 肺による遮蔽 | 超音波が心臓に届きにくい | 肋間や観察窓を変更する |
| 肋骨・胸骨 | 音響陰影が生じる | 肋間から入射する |
| 体格・皮下脂肪 | 深部の画像が不鮮明になる | 深度・周波数を調整する |
| 腸管ガス | 心窩部からの描出が困難になる | 体位やプローブ位置を調整する |
| 呼吸による動き | 画像が揺れる | 適切な呼吸タイミングで撮像する |
| プローブの角度不良 | 目的の断面が描出されない | 回転・傾斜を微調整する |
医学書院の専門誌「検査と技術」でも、肺や骨による超音波の通過障害を避けるため、患者の体位、探触子の位置、呼吸調整を組み合わせる必要性が解説されています。
左側臥位で画像を改善する
左側臥位は、傍胸骨像や心尖部像を描出する際の基本的な体位です。
患者に左側を下にして横向きになってもらい、左腕を上げるか、左手を頭の下に置くことで、胸部を露出させやすくなります。
この姿勢では心臓が胸壁に近づき、肺による遮蔽を避けやすくなる場合があります。
画像が不鮮明な場合には、次の順番で調整するとよいでしょう。
1. 左側臥位の角度を少し変える。
2. 肋間を1つ上下に変更する。
3. 心尖部付近で別のプローブ位置を探す。
4. プローブの傾斜と回転を微調整する。
ただし、体位変換が困難な患者に無理な姿勢を求める必要はありません。
呼吸調整のポイント
呼吸によって肺の位置や横隔膜の高さが変わるため、画像の見え方も変化します。
検査では、観察する断面に応じて呼吸を調整します。
心窩部アプローチ
ASEのガイドラインでは、心窩部四腔像の描出に吸気時の息止めを利用する方法が示されています。膝を曲げて腹部の緊張を緩めることも有効です。
傍胸骨アプローチ
上行大動脈などの描出では、呼気終末の息止めが役立つ場合があります。
心尖部アプローチ
呼吸に伴う心臓の移動を確認しながら、安定した画像が得られるタイミングで記録します。
重要なのは、すべての断面で同じ呼吸方法を使うわけではないということです。
患者の状態に合わせて短時間の呼吸調整を行い、息止めが難しい場合には自然呼吸下で撮像します。
装置設定も画質に影響する
プローブの位置を変えても画像が改善しない場合は、装置の設定を確認します。
主な調整項目は次のとおりです。
- ゲイン: 画像全体の明るさを調整する。
- 深度(Depth): 観察したい構造物が画面内に収まるようにする。
- フォーカス: 観察対象の深さに合わせる。
- 周波数: 深部への到達性と画像の分解能を考慮して調整する。
- セクター幅: 必要な観察範囲に合わせて調整する。
例えば、深度を必要以上に深く設定すると心臓が小さく表示され、細かな構造を確認しにくくなります。
反対に浅すぎると、観察したい構造物が画面から外れてしまいます。
最初から複数の設定を同時に変更するのではなく、一つずつ調整して画像の変化を確認することが実践的です。
【プロの結論】心エコーの描出技術を高める5つの実践ポイント
心エコーの上達では、単に標準断面を表示できることと、正しい断面を安定して取得できることを区別する必要があります。
画像が一度表示できても、プローブの位置がずれていたり、心臓の長軸が短縮されていたりすれば、正確な評価につながらない可能性があります。
実際の検査では、以下の5点を意識してください。
1. 最初にインデックスマークの方向を確認する
プローブを当てる前に、インデックスマークがどちらを向いているかを確認します。
これを習慣化すると、長軸像から短軸像への変更や、心尖部四腔像の描出が理解しやすくなります。
2. 大きな移動より小さな操作を優先する
画像が見えないからといって、プローブを大きく動かす必要はありません。
接触位置を維持したまま、少しずつ回転・傾斜・ロッキングを行うと、目的の断面を探しやすくなります。
3. 心尖部の短縮に注意する
心尖部四腔像では、左室が本来の長さで表示されているかを確認します。
心尖部が丸く見える場合や左室が短く見える場合は、プローブの位置を再検討します。
4. 1つの観察窓にこだわらない
傍胸骨から十分な画像が得られない場合は、心尖部や心窩部など別の観察窓を利用します。
検査の目的に応じて複数の断面を組み合わせることが、総合的な評価につながります。
5. 描出できなかった断面も記録する
BSEの2020年版実践ガイドラインでは、標準的な検査で必要な画像が取得できない場合や、正確な測定が困難な場合には、その制限を報告書に記載することが推奨されています。
画像の良否を適切に評価し、必要な追加検査や専門家による確認につなげることも、検査技術の一部です。
初心者が練習する順番
効率よく基本手技を身につけるには、次の順番がおすすめです。
1. 傍胸骨長軸像を安定して描出する。
2. 同じ位置から傍胸骨短軸像に変更する。
3. 短軸像を大動脈弁・僧帽弁・乳頭筋・心尖部の順に描出する。
4. 心尖部四腔像を描出し、左室短縮を避ける。
5. 心窩部から四腔像と下大静脈を描出する。
6. 胸骨上窩から大動脈弓を描出する。
最初からすべての断面を完璧に描出しようとするよりも、基本断面を一つずつ安定させる方が、プローブ操作の習得につながります。
なお、これらは医療従事者向けの基本手技です。実際の患者に対する検査は、指導者の監督下で練習し、施設の検査手順や専門学会の指針に従って実施してください。
【心エコーの当て方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:心エコーのプローブはどこに当てればよいですか?
A1:基本的には、胸骨左縁、心尖部、剣状突起下、胸骨上窩の4か所です。傍胸骨からは長軸像・短軸像、心尖部からは四腔像、心窩部からは四腔像や下大静脈、胸骨上窩からは大動脈弓を観察します。
Q2:傍胸骨長軸像と短軸像の違いは何ですか?
A2:長軸像は心臓を長い方向に切った断面で、左室や左房、大動脈基部などを観察します。短軸像は長軸に対してほぼ直角の断面で、左室の円形の形態や心筋の動きを観察できます。基本的には同じ傍胸骨の位置からプローブを約90度回転させて切り替えます。
Q3:心尖部四腔像がうまく描出できない場合はどうすればよいですか?
A3:まず左側臥位を調整し、心尖拍動付近でプローブの位置を探します。次に肋間を変更し、回転や傾斜を少しずつ調整してください。左室心尖部が丸く短く見える場合は、短縮像になっていないかを確認します。
Q4:心エコーでは息を吸うときと吐くときのどちらがよいですか?
A4:観察する部位によって異なります。心窩部四腔像では吸気時の息止め、上行大動脈の描出では呼気終末の息止めが役立つ場合があります。すべての断面で同じ呼吸方法を使用するわけではありません。
Q5:心エコーの画像が見えにくい原因は何ですか?
A5:肺や肋骨による遮蔽、体格、皮下脂肪、腸管ガス、プローブの角度、呼吸による動きなどが考えられます。体位や肋間、観察窓を変更し、深度・ゲイン・フォーカスなどの設定も確認します。
まとめ:心エコーの当て方は基本断面とプローブ操作の習得が鍵
心エコーの当て方を習得するには、傍胸骨長軸像・短軸像・心尖部四腔像という基本断面を理解し、それぞれのプローブ位置とインデックスマークの方向を覚えることが大切です。
さらに、心窩部や胸骨上窩からのアプローチも身につけることで、傍胸骨や心尖部から十分な画像が得られない場合にも対応しやすくなります。
特に意識したいのは、プローブを強く押すことではなく、固定・回転・傾斜・扇状操作を使い分けることです。患者の左側臥位への体位調整や呼吸のタイミング、装置設定も組み合わせることで、画像の質は改善しやすくなります。
心エコーの技術は、プローブを当てる位置を覚えるだけでは完成しません。どの断面を描出しているのかを理解し、画像の解剖学的な整合性を確認することが、正確な検査につながります。
参考にした主な専門資料
- 米国心エコー図学会(ASE)「Guidelines for Performing a Comprehensive Transthoracic Echocardiographic Examination in Adults」(2019年)
- 英国心エコー図学会(BSE)「A practical guideline for performing a comprehensive transthoracic echocardiogram in adults: the BSE minimum dataset」(2020年)
- 日本救急医学会Point-of-Care超音波推進委員会「救急point-of-care超音波診療指針」(2022年)
- 日本循環器学会「2021年改訂版 循環器超音波検査の適応と判読ガイドライン」
- 医学書院「検査と技術」2014年7月号「心エコーで肺がかぶって見にくい人は,どのような体位・探触子の位置でアプローチすると見やすくなるのでしょうか?」 (出典: 心 エコー 当て 方(Yahoo!ニュース))