金正恩が「黒電話」と呼ばれる理由は?覇気ヘアの由来とネットミームの真相を徹底解説
北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)総書記を指す日本のネット上のあだ名として知られる「黒電話」。一見すると不思議な呼び名ですが、その由来は、側頭部を短く刈り上げ、頭頂部の髪を大きく立ち上げた独特のヘアスタイルにあります。昭和時代の家庭に普及したダイヤル式黒電話の受話器を連想させるシルエットが、ネットユーザーの目に留まったのです。
この髪型は「覇気ヘア」「野心ヘア」とも呼ばれ、2015年2月には日本のネット上で大きな話題になりました。一方、金正恩氏の髪型には、祖父・金日成(キム・イルソン)主席を意識したとされる政治的なイメージ戦略も指摘されています。2026年現在までに広がった呼び名の経緯から、北朝鮮国内での呼称、金正日氏との比較、TikTokなどでのネットミームまで、報道を基に整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「黒電話」の主な由来は、金正恩氏の髪型と昭和のダイヤル式黒電話の受話器を連想させる形状の類似性にある。
- 要点2:「覇気ヘア」は報道で使われてきた呼称で、祖父・金日成氏に似せた指導者イメージとの関係も指摘されている。
- 要点3:ネットミームやTikTokで呼び名が再利用されているが、特定の投稿者や動画があだ名の発祥だと断定できる根拠はない。
【理由を解説】金正恩が「黒電話」と呼ばれるのはなぜ?
金正恩氏が「黒電話」と呼ばれる最大の理由は、特徴的な髪型と昔ながらの黒電話の形が似ていると受け止められたことです。とりわけ注目されたのが、耳の上から側頭部にかけて極端に短く刈り上げた部分と、頭頂部にボリュームを持たせた髪のシルエットでした。
昭和の家庭でおなじみだったダイヤル式黒電話は、黒い本体の上に受話器を載せたデザインが特徴です。金正恩氏の髪型をこの受話器に見立てたり、顔を電話機の本体に重ね合わせたりすると、視覚的な類似性が生まれます。こうした見立ての分かりやすさが、あだ名の広がりを後押ししました。
2015年2月20日付のJ-CASTニュースは、金正恩氏の新しい髪型を取り上げ、日本のTwitter(現X)上で「黒電話の受話器感ある」といった反応が出ていたと報じています。同時期にはCNNも髪型の変化を報道し、国際的にもその独特なスタイルが注目を集めました。
この経緯から重要なのは、「黒電話」という呼び名が、政治的な正式名称や本人の公称ではなく、外見の特徴を身近な物にたとえたネット上の俗称だという点です。髪型の写真を見た人がすぐに連想できること、短い言葉で特徴を伝えられることが、ネット上で定着しやすい条件になりました。
また、金正恩氏が実際に黒電話を愛用しているから付いたという意味でもありません。広く知られる呼び名の由来は、あくまで髪型の見た目にあります。
【由来と歴史】覇気ヘアとは?金正恩の髪型が注目された経緯
「覇気ヘア」とは、前髪を後ろへ流し、耳の上や側頭部を短く刈り上げる金正恩氏の特徴的な髪型を指す呼称です。「野心ヘア」と表現されることもあります。ただし、北朝鮮政府が公式に定めた髪型の名称というより、報道や世間の言説で使われてきた呼び方と理解するのが適切です。
金正恩氏の外見が現在につながる形で注目されるようになったのは、後継者として表舞台に登場した時期にさかのぼります。朝鮮日報日本語版は、2009年初頭の写真と2012年の姿を比較し、髪型が変化した経緯を報じました。また、2010年9月の第3回党代表者会で公の場に姿を見せた際には、祖父の金日成氏を意識したイメージづくりが行われたとの見方も伝えられています。
2014年には、金正恩氏の髪型が北朝鮮の若者の間で流行しているとする報道が登場しました。Record Chinaが聯合ニュースなどの報道を基に伝えた記事では、前髪を後ろに流し、耳の上を短く刈り上げるスタイルが「覇気ヘア」と呼ばれていることが紹介されています。
そして2015年2月、金正恩氏が髪型をさらに角張った印象に整えた姿が報道されると、「黒電話」という連想が日本のネット上で広がりました。髪型の特徴が以前より際立って見えたことが、あだ名の認知を高めるきっかけになったと考えられます。
| 時期 | 主な出来事 | 読み取れるポイント |
|---|---|---|
| 2009年初頭 | 後継者として注目される時期の写真が残る | 現在の髪型とは異なるスタイルが確認できる |
| 2010年9月 | 第3回党代表者会で公の場に登場 | 祖父・金日成氏に似せたイメージづくりとの見方が報じられる |
| 2014年 | 「覇気ヘア」という呼称が報道で紹介される | 髪型そのものが国内外の話題になる |
| 2015年2月 | 角張った髪型が日本や海外のメディアで話題に | 「黒電話」の呼び名が広く知られる契機となる |
| 2021年以降 | 髪型や体型、服装の変化が報じられる | 「黒電話」のイメージと実際の外見には変化がある |
| 2026年 | SNSや動画プラットフォームで関連する話題が継続 | 過去の写真やミームを通じて呼び名が再利用される |
この流れを押さえると、「覇気ヘア」と「黒電話」は同じ意味ではないことが分かります。前者は髪型の特徴を表す呼称であり、後者はその外見を黒電話にたとえたネット上のあだ名です。髪型が先に注目され、その形を表現する言葉として黒電話が広がった、という順序で理解すると整理しやすくなります。
【政治的背景】金正恩の髪型は祖父・金日成や父・金正日とどう違う?
金正恩氏の髪型を理解するには、祖父の金日成氏、父の金正日氏との比較が欠かせません。髪型は単なる個人の好みだけでなく、北朝鮮の指導者が国民にどのような印象を与えようとするかという問題とも関係しているためです。
金正恩氏は、外見や服装、表情などにおいて祖父の金日成氏との類似性がたびたび指摘されてきました。朝日新聞GLOBE+やAFPの報道でも、金正恩氏が祖父を意識したとみられる服装や髪型について分析されています。祖父に似た外見は、建国以来の指導者の系譜を視覚的に示し、体制の継続性を印象づける要素になり得ます。
一方、父の金正日氏は、ボリュームのある髪型や独特のジャンパー姿で知られています。金正恩氏は父と同じ外見をそのまま踏襲するというより、祖父を連想させる髪型や服装を取り入れてきたと分析されてきました。
両者の違いを整理すると、次のようになります。
- 金日成氏:オールバックを基調とした髪型やスーツ姿などが、後世の金正恩氏との比較対象になっている。
- 金正日氏:ボリュームのある髪型やジャンパー姿が特徴的で、金正恩氏のイメージとは異なる印象を持たれている。
- 金正恩氏:側頭部を短く刈り上げ、頭頂部を立ち上げる髪型によって、祖父を思わせるシルエットと独自の外見を組み合わせている。
ただし、金正恩氏の髪型が政治的な意図だけで決められたと断定することはできません。祖父に似せた外見については複数の報道や専門家の分析がありますが、髪型の細部に関する本人の意図がすべて公表されているわけではないからです。
また、「覇気ヘア」という名前から、髪型そのものに特別な政治思想が込められていると考えるのも早計です。呼称が表すのは主に外見の印象であり、政治的な意味合いは、指導者のイメージ戦略や北朝鮮の権力継承という広い背景から考える必要があります。
【評判と真相】北朝鮮国内で覇気ヘアは流行した?髪型強制説の実情
金正恩氏の髪型をめぐっては、「北朝鮮の若者にも同じ髪型が広まった」「当局が指導者と同じ髪型を強制した」といった報道もありました。しかし、国内での流行、行政上の指示、全国民に対する一律の強制は、それぞれ分けて考える必要があります。
2014年3月、中央日報日本語版は、自由アジア放送(RFA)の報道を基に、北朝鮮当局が若者に金正恩氏の髪型を求めているとの情報を紹介しました。一方、同記事は、当時の状況について別の情報源から異なる見方も伝えており、措置が実際にどこまで実施されたのかは明確ではないとしていました。
2015年には、北朝鮮の若者に短い髪型を求める指示があったとする報道も登場しています。朝鮮日報日本語版は、男性の髪型や女性の髪型をめぐる規制について報じました。ただし、こうした報道だけで、すべての住民が金正恩氏と同じ髪型を強制されていたと結論づけることはできません。
ここで押さえたいのは、「覇気ヘアが北朝鮮で知られていたこと」と「全国民に同じ髪型が義務づけられていたこと」は別の話だという点です。北朝鮮の社会規範や身だしなみの指導をめぐる報道は存在しますが、対象地域や時期、実施状況には違いがあり得ます。
では、髪型の評判はどうだったのでしょうか。海外の報道では、金正恩氏の髪型に対して、角張った形や頭頂部のボリュームを面白がる反応が紹介されてきました。Record Chinaが2014年に伝えた中国のネット上の反応にも、髪型をさまざまな物にたとえる声が見られます。
一方で、こうした反応はインターネット上の一部の意見であり、北朝鮮国民全体の評価を示す世論調査ではありません。国内での人気や不人気を、海外のネット上の冗談だけから判断することはできないのです。
【ネットミームの現在】黒電話ネタはTikTokやリッコ28でどう広がる?
「黒電話」という呼び名が長く残っている理由の一つは、短い言葉だけで金正恩氏の特徴的な外見を連想できることです。ネットミームでは、複雑な説明をしなくても画像や短い動画で意味が伝わる表現が繰り返し使われます。「黒電話」も、こうした視覚的な分かりやすさを備えています。
さらに、昭和のダイヤル式黒電話というモチーフは、現在の若い世代にとってもレトロな家電のイメージとして認識されやすいものです。髪型の輪郭と受話器の形を重ねるだけで冗談が成立するため、画像加工、比較画像、短いリアクション動画などに応用しやすいという特徴があります。
TikTokなどの動画プラットフォームでは、過去のネット上の呼び名が、編集動画やまとめコンテンツを通じて再び使われることがあります。「金正恩 黒電話 ネタ TikTok」や「リッコ28 黒電話ネタ」といった検索語も、こうしたコンテンツを探す際の手がかりになります。
ただし、「リッコ28」という名称を含む黒電話ネタが、呼び名そのものの発祥だと示す確かな根拠はありません。特定の動画が最初にあだ名を生み出した、あるいは特定の投稿者がネット上への定着を決定づけたと断定するには、投稿日時や転載の経緯などの確認が必要です。
実際、J-CASTニュースが取り上げた2015年2月の反応には、黒電話以外にもアニメやゲームのキャラクターに似ているという連想が登場しています。これは、金正恩氏の髪型が複数の既存のビジュアルに結びつけられ、ネット上でさまざまな見立ての対象になっていたことを示しています。
ネットミームとしての黒電話ネタを楽しむ場合も、次の3点を押さえると、元の出来事と後から作られたネタを混同しにくくなります。
- 元の報道:2015年2月に髪型が報道され、ネット上の反応が紹介されたという経緯。
- 二次的な編集:画像加工や動画編集で黒電話の形を強調したコンテンツ。
- 現在の再利用:過去の写真やミームを使った投稿、TikTokのまとめ動画など。
これらは互いに関係していますが、同じものではありません。あだ名の由来を知りたい場合は当時の報道を、現在の流行を知りたい場合は各プラットフォームの投稿状況を確認するのが適切です。
【金正恩黒電話の現在】髪型は変わった?2026年時点の見方
「黒電話」という呼び名が広く定着した後も、金正恩氏の髪型は常に同じ形だったわけではありません。2015年の角張ったスタイルだけでなく、その後は頭頂部のボリュームや側頭部の刈り上げ方、髪全体のバランスが異なる姿も報道されています。
2021年には、金正恩氏の髪型や体型の変化が国内外のメディアで話題になりました。FRIDAYデジタルは、当時の外見の変化を取り上げ、髪型の変遷について北朝鮮情勢に詳しい専門家の見方を紹介しています。こうした報道からも、ネットで定着した「黒電話」のイメージと、実際の外見には時間による違いがあることが分かります。
さらに、2026年6月には、金正恩氏の白髪が目立つ姿と黒く染めたように見える姿を比較した報道もありました。AFPBB Newsなどが伝えた写真報道は、髪型や髪色がその時々の姿によって異なることを示しています。
そのため、2026年現在の金正恩氏を「黒電話」と呼ぶ場合、それは必ずしも毎回の髪型を正確に描写する言葉ではありません。2015年前後に広まった印象的な外見を指す、歴史的なネット上のあだ名として使われている面があります。
また、髪型の変化から健康状態や政治的な意図を推測する記事もありますが、髪型や髪色の変化だけで健康上の問題や政策の転換を判断することはできません。外見についての報道と、政治・健康に関する事実確認は分けて考えるべきです。
もう一つ注意したいのが、黒電話という呼び名と、北朝鮮の通信設備をめぐる話を混同しないことです。朝鮮半島の南北直通電話や軍事的なホットラインは、外交・安全保障上の通信手段を指します。金正恩氏のあだ名が、実際のホットラインの機器から生まれたとする説明には、広く知られる髪型由来の説明とは別の裏づけが必要です。
現在の情報を整理する際は、撮影時期が明確な写真、朝鮮中央通信や労働新聞などが報じた公開活動、AFPやCNNなどの報道を照らし合わせると、過去のイメージと実際の外見の変化を区別しやすくなります。
【プロの結論】金正恩の黒電話ネタから読み解くネット情報の見極め方
「金正恩黒電話」という言葉は、政治ニュース、髪型の特徴、ネット文化が交わるところで生まれた呼び名です。外見を黒電話に見立てるという単純な発想が、国際ニュースで扱われる政治指導者のイメージを、日常的な言葉で表現できるようにしました。
一方、あだ名が広く知られていることと、その背景に関する説明がすべて正しいことは同じではありません。「覇気ヘアは北朝鮮政府の公式名称なのか」「国民全員が同じ髪型を強制されたのか」「TikTokの特定の投稿者が呼び名を生み出したのか」といった疑問は、それぞれ別の証拠で検証する必要があります。
このテーマで情報を見極める際の基準は、次の3つです。
- 由来を調べるなら:2015年2月のJ-CASTニュースやCNNの報道を確認し、当時の髪型とネット上の反応を区別する。
- 北朝鮮国内の実情を知るなら:「覇気ヘア」という呼称、若者の間での流行、髪型をめぐる規制の報道を別々に評価する。
- 現在のネットミームを追うなら:動画の投稿時期や編集内容を確認し、元の報道と後発のネタを混同しない。
特に重要なのは、ネット上の面白い呼び名を、そのまま政治的事実の説明として受け取らないことです。「黒電話」は外見を表現する言葉としては分かりやすいものの、北朝鮮の政治体制や国民生活を説明する言葉ではありません。笑いの対象になった外見と、指導者の権力や政策についての分析には、明確な境界があります。
【金正恩黒電話】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:金正恩はなぜ黒電話と呼ばれているのですか?
A1:側頭部を短く刈り上げ、頭頂部を角張った形に整えた髪型が、昭和のダイヤル式黒電話の受話器を連想させるためです。2015年2月には、日本のネット上で「黒電話の受話器感ある」といった反応が報じられました。
Q2:金正恩の髪型は正式に「覇気ヘア」と呼ばれているのですか?
A2:「覇気ヘア」や「野心ヘア」は、報道などで使われてきた呼称です。北朝鮮政府が公式に定めた名称として広く確認されているわけではありません。
Q3:金正恩の髪型は祖父の金日成をまねたものですか?
A3:金正恩氏の髪型や服装には、祖父の金日成氏を意識したイメージづくりがあったとの見方が報じられています。ただし、髪型のすべての特徴が政治的な意図によるものだと断定することはできません。
Q4:北朝鮮では国民全員が覇気ヘアを強制されていたのですか?
A4:若者に指導者風の髪型を求めたとする報道はありますが、全国民に同じ髪型が一律に義務づけられていたとまでは確認できません。地域や時期、実施状況を区別して考える必要があります。
Q5:金正恩の黒電話ネタはTikTokのリッコ28が発祥ですか?
A5:「リッコ28 黒電話ネタ」という検索語はありますが、同名のコンテンツがあだ名の発祥だと示す確かな根拠はありません。2015年2月にはすでに日本のネット上で黒電話にたとえる反応が報道されていました。
Q6:2026年現在も金正恩は黒電話のような髪型なのですか?
A6:髪型や髪色は時期によって変化しています。「黒電話」は2015年前後に広まった特徴的な外見のイメージを指す俗称であり、現在の髪型を毎回正確に表しているわけではありません。
まとめ:金正恩の黒電話というあだ名はどこから来たのか
金正恩氏が「黒電話」と呼ばれる理由は、側頭部を刈り上げて頭頂部を大きく見せた髪型が、昭和のダイヤル式黒電話の受話器を連想させるためです。2015年2月に髪型の変化が報じられた際、日本のネット上でこの見立てが話題になり、呼び名が広く知られるようになりました。
その背景には、北朝鮮国内外で「覇気ヘア」と呼ばれてきた髪型、祖父の金日成氏を意識したとされる指導者のイメージ戦略、そして画像や動画で繰り返し再利用されるネットミームの文化があります。ただし、髪型の公式名称や国民への強制、特定のTikTok投稿者による発祥などは、別々に検証しなければなりません。
2026年現在も「黒電話」という呼び名は過去の報道やネット上のコンテンツを通じて認識されていますが、金正恩氏の実際の髪型は変化しています。あだ名の面白さを理解することと、北朝鮮の政治や社会の実情を正しく把握すること。その両方を意識することが、この話題をより深く読み解くためのポイントです。 (出典: 金正恩 黒 電話(Yahoo!ニュース))