砂糖は体にいいのか?2026年最新の健康効果と摂取量・リスクを徹底解説
砂糖は体に悪いものと思われがちですが、実際には、体を動かすためのエネルギー源となる糖質の一種です。一方で、砂糖を含む食品や飲料を習慣的に摂りすぎると、体重増加や肥満、虫歯のリスクが高まります。健康のために砂糖を完全に断つべきなのか、それとも適量なら問題ないのか、疑問を感じている人も多いのではないでしょうか。
2026年10月時点で確認できる世界保健機関(WHO)の指針や、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」を踏まえると、重要なのは砂糖を一律に善悪で判断することではなく、摂取量と食生活全体のバランスを考えることです。WHOが推奨する遊離糖類の摂取目安と、日本で砂糖の具体的な目標量が設定されていない理由も含め、科学的根拠から整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 砂糖の役割:エネルギー源にはなるものの、精製された砂糖を積極的に摂る必要があるわけではない。
- 摂取量の目安:WHOは遊離糖類を総エネルギー摂取量の10%未満、可能であれば5%未満に抑えることを推奨している。
- 日本の基準:2025年版の食事摂取基準では、糖類の摂取実態を正確に把握する難しさなどから、具体的な目標量は設定されていない。
【結論】砂糖は体にいい?エネルギー源としての役割と本当の必要性
砂糖は、適量を摂取する限り、必ずしも健康に悪い食品ではありません。砂糖の主成分であるショ糖は、消化されるとブドウ糖と果糖に分解され、エネルギーとして利用されます。問題になるのは、砂糖そのものの存在ではなく、摂りすぎや、砂糖を多く含む食品に偏った食生活です。
砂糖にはエネルギーを供給する働きがある
糖質は、たんぱく質や脂質と並ぶエネルギー産生栄養素の一つです。糖質は1g当たり約4kcalのエネルギーを生み出し、体を動かすために利用されます。ブドウ糖は脳や神経系にとって重要なエネルギー源でもあります。
砂糖は消化・吸収されやすいため、エネルギーを比較的速やかに補給できるという特徴があります。運動などでエネルギーを消費したときには、糖質を含む食品や飲料がエネルギー補給に役立つ場合もあります。
ただし、ここで区別したいのは、体に糖質が必要であることと、砂糖を積極的に摂る必要があることは別だという点です。ご飯、パン、麺類、いも類などにも糖質は含まれており、砂糖を追加しなくても、バランスのよい食事から必要なエネルギーを得られます。
砂糖を摂らないと健康を維持できないのか
精製された砂糖そのものは、必須栄養素ではありません。砂糖を加えた飲料や菓子を減らしても、食事全体から必要なエネルギーや栄養素を確保できていれば、健康維持に支障が生じるとは限りません。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、炭水化物の目標量は、1歳以上の各年齢階級で総エネルギー摂取量の50〜65%とされています。ただし、これは炭水化物全体の目安であり、砂糖を同じ割合で摂るべきという意味ではありません。
砂糖を控えることを目的に、ご飯や果物などを含む炭水化物全体を極端に減らす必要はありません。大切なのは、糖質の供給源を見直し、食物繊維、ビタミン、ミネラル、たんぱく質なども確保することです。
【健康効果とデメリット】砂糖を摂りすぎるとどうなる?虫歯・肥満のリスク
砂糖にはエネルギー源としての役割がある一方、摂取量が多くなると健康上の問題も生じます。特に科学的根拠が蓄積しているのが、虫歯と体重増加のリスクです。砂糖を食べたことだけで直ちに病気になるわけではありませんが、日々の摂取習慣は無視できません。
1.砂糖と虫歯の関係
虫歯は、口の中の細菌が糖類を利用して酸を作り、その酸によって歯の表面が溶かされることで進行します。砂糖は虫歯の原因となる細菌が利用できる糖の一つです。
厚生労働省の健康情報サイト「e-ヘルスネット」では、砂糖の摂取総量だけでなく、摂取する回数を減らすことも虫歯予防に有効だと説明しています。甘い飲み物を少しずつ長時間飲み続けたり、菓子を何度もつまんだりすると、歯が酸にさらされる機会が増えます。
WHOも、2025年8月に公表した虫歯に関するファクトシートで、遊離糖類の摂取を総エネルギー摂取量の10%未満、できれば5%未満に抑えることが、虫歯のリスク低減につながるとしています。
予防には砂糖を控えるだけでなく、フッ化物配合歯磨剤を使った歯磨きや、定期的な歯科受診も重要です。
2.砂糖と肥満・体重増加のリスク
砂糖を多く含む食品や飲料を習慣的に摂取すると、消費するエネルギーよりも摂取するエネルギーが多くなり、体重が増える可能性があります。特に注意したいのが、加糖飲料です。
砂糖入りの清涼飲料水や甘いコーヒー飲料などは、短時間で多くのエネルギーを摂取しやすい一方、食事のような満腹感を得にくい場合があります。普段の食事を変えないまま飲料のエネルギーが追加されれば、総摂取エネルギーが増えやすくなります。
WHOが示す科学的根拠でも、遊離糖類の摂取量と体重の関係が検討されており、特に糖類を含む飲料の摂取を減らすことは、望ましくない体重増加の予防に役立つとされています。
ただし、砂糖を食べると必ず太るというわけではありません。体重の変化には、食事全体のエネルギー量、身体活動、睡眠など複数の要因が関係します。砂糖だけを悪者にするのではなく、日常的に摂取している飲料や間食を含めて見直すことが現実的です。
3.栄養バランスが崩れる可能性
砂糖を多く含む食品を頻繁に食べると、食事全体に占めるエネルギーの割合が増え、ほかの食品から摂るべき栄養素が不足しやすくなることがあります。
例えば、菓子や甘い飲料で食事の一部を置き換える習慣が続けば、たんぱく質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどを十分に摂れない可能性があります。砂糖の健康への影響を考えるときは、摂取量だけでなく、何を食べる機会が減っているのかにも目を向ける必要があります。
【1日の摂取量】WHOの遊離糖類10%未満・5%未満をグラム換算
砂糖の摂取量を考える際に参考になるのが、WHOが2015年に公表した「成人及び小児の糖類摂取に関するガイドライン」です。同ガイドラインでは、遊離糖類の摂取量を総エネルギー摂取量の10%未満に抑え、さらに5%未満に減らすことを提案しています。
2000kcalの食生活なら、1日50g未満が一つの目安
1日に2000kcalを摂取する人を例に計算すると、遊離糖類の目安は次のようになります。糖類は1g当たり約4kcalとして換算しています。
- 総エネルギーの10%:200kcalに相当し、遊離糖類は50g。
- 総エネルギーの5%:100kcalに相当し、遊離糖類は25g。
WHOの推奨は、遊離糖類を総エネルギー摂取量の10%未満にすることです。5%未満は、さらなる健康上の利益が期待できるとして示されている目安です。いずれも、すべての人に共通する絶対的な上限値ではありません。
また、ここで数えているのは、家庭で使う砂糖だけではありません。遊離糖類には、製造業者、調理者、消費者が食品や飲料に加える糖類のほか、蜂蜜、シロップ、果汁、濃縮果汁に含まれる糖類も含まれます。
一方、丸ごとの果物に自然に含まれる糖類や、牛乳に自然に含まれる乳糖は、WHOの定義における遊離糖類には含まれません。この違いを理解すると、単に糖類の総量だけを見るよりも、食生活を具体的に見直しやすくなります。
日本人の食事摂取基準2025年版で糖類の目標量がない理由
日本では、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」が、2025年度から2029年度までの5年間を対象として使用されています。しかし、同基準では糖類について、具体的な摂取目標量が設定されていません。
これは、糖類の摂りすぎが健康に影響しないと判断されたからではありません。厚生労働省の策定検討会報告書では、肥満や虫歯との関連が認識されている一方、日本では海外の指標で使われる添加糖類や遊離糖類の摂取量を正確に把握することが難しいこと、また、日本と他国では糖類の摂取状況が異なる可能性があることなどを理由に、目標量の設定が見送られています。
つまり、日本で具体的な目標量がないことは、砂糖を好きなだけ摂ってよいという意味ではありません。 WHOの推奨を参考にしながら、甘い飲料や菓子など、減らしやすい摂取源から見直すことができます。
【糖質と糖類の違い】砂糖を減らすなら食品表示のどこを見る?
砂糖の摂取量を管理する際には、「糖質」と「糖類」の違いも押さえておきたいところです。両者は似た言葉ですが、意味する範囲が異なります。
一般に、炭水化物は糖質と食物繊維に大別されます。糖質は消化・吸収されてエネルギー源になる成分で、糖類はそのうち、ブドウ糖、果糖、ショ糖、乳糖などの単糖類・二糖類を指します。
例えば、ご飯やパンに多く含まれるでんぷんは糖質ですが、砂糖と同じ意味での糖類ではありません。また、食品表示にある「糖類ゼロ」は、必ずしも糖質やエネルギーがゼロであることを意味しません。
食品表示を確認するときは、次の点を意識すると役立ちます。
- 炭水化物:糖質と食物繊維を合わせた量。
- 糖質:エネルギー源となる成分。でんぷんなども含む。
- 糖類:ブドウ糖、果糖、ショ糖、乳糖などの単糖類・二糖類。
- 原材料名:砂糖、果糖ぶどう糖液糖、シロップなど、甘味を加える原材料が使われているかを確認する手掛かりになる。
ただし、原材料の表示順だけで、実際にどれほどの糖類が含まれているかを正確に判断することはできません。栄養成分表示と原材料名を組み合わせて確認することが大切です。
【白砂糖・きび砂糖・てんさい糖】健康面で違いはある?
砂糖売り場では、白砂糖、きび砂糖、てんさい糖など、さまざまな種類が並んでいます。「茶色い砂糖のほうが健康的」「てんさい糖なら血糖値が上がりにくい」といったイメージを持つ人もいますが、色や原料の違いだけで健康上の優劣を決めることはできません。
| 種類 | 主な特徴 | 健康面での考え方 |
|---|---|---|
| 白砂糖 | 精製度が高く、主成分はショ糖。クセの少ない甘さ。 | エネルギー源になる一方、遊離糖類の摂取量に含めて考える必要がある。 |
| きび砂糖 | サトウキビを原料とし、製法によって糖蜜由来の色や風味が残る。 | ミネラルなどを含む製品もあるが、白砂糖より大幅に健康的とは限らない。 |
| てんさい糖 | テンサイ(砂糖大根)を原料とする。製品によって色や風味が異なる。 | 原料が違っても、砂糖として使う場合は摂取量に注意が必要。 |
きび砂糖やてんさい糖は、製法や製品によって成分が異なります。未精製・精製度の低い製品では、糖蜜由来の成分が残ることがありますが、微量のミネラルを含むことと、健康上のメリットが大きいことは同じではありません。
また、てんさい糖だからといって、一般的な砂糖と比べて糖類の摂取量を気にしなくてよいわけではありません。白砂糖、きび砂糖、てんさい糖のいずれを選ぶ場合でも、健康管理では種類より使用量が重要です。
料理の風味や使いやすさで選ぶのは問題ありませんが、健康のために高価な砂糖へ切り替えることを最優先にする必要はありません。まずは、砂糖を加える量や甘い飲料を飲む頻度を見直すほうが、実践的な対策になります。
【砂糖を控える方法】人工甘味料との比較と健康的な食生活のコツ
砂糖を減らすために、甘いものを完全に禁止する必要はありません。無理な制限は長続きしにくいため、日常的に摂っている糖類のうち、減らしやすいものから取り組むのがおすすめです。
今日からできる砂糖の摂取量を減らす方法
- 飲み物を見直す:砂糖入りの清涼飲料水や甘いコーヒーを、水、無糖のお茶、無糖コーヒーなどに置き換える。
- 甘い間食の頻度を減らす:毎日複数回食べている菓子を、量や回数を決めて楽しむ。
- 調味料の糖類を確認する:ケチャップ、たれ、ドレッシングなども、商品によって糖類の含有量が異なる。
- 甘さを少しずつ調整する:コーヒーや紅茶に入れる砂糖を少しずつ減らし、味に慣れていく。
- 食事のバランスを整える:野菜、豆類、全粒穀物、果物、たんぱく質を含む食品などを組み合わせ、砂糖を含む食品だけで空腹を満たさないようにする。
- 虫歯対策を続ける:砂糖の総量と摂取回数を減らし、フッ化物配合歯磨剤を使った歯磨きを習慣にする。
特に取り組みやすいのは、毎日飲んでいる甘い飲料の見直しです。お菓子を一切食べないことよりも、飲み物から無意識に摂取している糖類を減らすほうが、負担なく続けられる人もいます。
砂糖と人工甘味料はどちらが健康にいい?
人工甘味料を含む非糖質系甘味料は、少ない量で甘味をつけられ、製品によっては砂糖を使った食品よりエネルギー量を抑えられるという特徴があります。ただし、人工甘味料を使えば、必ず長期的な減量や健康改善につながるわけではありません。
WHOは2023年5月、体重管理や生活習慣病リスクの低減を目的として、非糖質系甘味料を使用することを推奨しないという条件付き勧告を公表しました。これは、長期的な体脂肪減少の利益が明確ではないことなどを踏まえたもので、個々の甘味料の安全性を評価したり、認可された甘味料がすべて危険だと判断したりする勧告ではありません。
また、この勧告は糖尿病のある人など、特定の集団への適用についても区別しています。個々の健康状態に応じた食事管理が必要な場合は、医師や管理栄養士に相談することが適切です。
砂糖と人工甘味料を比較するときは、甘味料の種類だけでなく、飲料や食品全体のエネルギー量、栄養バランス、食べる量を考える必要があります。甘味料への置き換えだけに頼るのではなく、甘さに慣れすぎない食習慣を身につけることも大切です。
【砂糖からだにいい】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:砂糖は体にいいのですか?毎日食べても大丈夫ですか?
A1:砂糖はエネルギー源になりますが、精製された砂糖そのものは必須栄養素ではありません。毎日食べることだけで健康への悪影響が決まるわけではなく、摂取量や頻度、食生活全体が重要です。甘い飲料や菓子を習慣的に多く摂っている場合は、量を減らすことを検討しましょう。
Q2:砂糖の1日の摂取量は何gまでですか?
A2:WHOは、遊離糖類を総エネルギー摂取量の10%未満、できれば5%未満にすることを推奨しています。1日2000kcalの場合、それぞれ50g未満、25g未満が計算上の目安です。ただし、これは家庭で使う砂糖だけでなく、加糖飲料、食品に加えられた糖類、蜂蜜、シロップ、果汁などに含まれる遊離糖類全体の目安です。日本の食事摂取基準2025年版では、糖類の具体的な目標量は設定されていません。
Q3:白砂糖より、きび砂糖やてんさい糖のほうが体にいいですか?
A3:一概にはいえません。原料や製法によって風味や成分は異なりますが、茶色い砂糖だから健康への影響が小さいとは限りません。健康を意識するなら、砂糖の種類を変えることだけでなく、甘い飲料や菓子を含めた糖類の摂取量を見直すことが重要です。
まとめ:砂糖は完全に避けるより、摂取量と習慣を見直すことが大切
砂糖は、体内でエネルギーとして利用される成分を含んでいます。しかし、エネルギー源として糖質が必要だからといって、精製された砂糖を積極的に摂取する必要があるわけではありません。
WHOは、虫歯や望ましくない体重増加のリスクを減らすため、遊離糖類を総エネルギー摂取量の10%未満、可能であれば5%未満に抑えることを推奨しています。一方、日本人の食事摂取基準2025年版では、糖類の摂取実態を正確に把握する難しさなどから、具体的な目標量は設定されていません。この違いは、砂糖の摂りすぎが問題にならないという意味ではなく、摂取量の評価や基準設定に課題があることを示しています。
健康のために優先したいのは、白砂糖をきび砂糖やてんさい糖に置き換えることだけではなく、甘い飲料を無糖のものに変える、間食の頻度を減らす、食事全体の栄養バランスを整えるといった具体的な行動です。
砂糖は「体にいいか、悪いか」の二択ではなく、どこから、どれくらい摂っているかで考えることが大切です。 極端な糖質制限や甘いものの全面禁止を目指すよりも、日々の習慣を少しずつ改善し、無理なく続けられる食生活を選びましょう。 (出典: 砂糖 からだ に いい(Yahoo!ニュース))